公益社団法人日本助産師会
母親の心のケア
災害の反応には個人差がありますが、特に妊婦、小さい子どもを持つ母親では、頭痛や不眠、食欲低下などの身体の反応だけでなく、無力になったり感情の起伏が激しくなったりなどの反応が知られています。
しかし、これは「異常な事態の時の正常な反応」なのです。癒しの過程は、皆さんが予想するよりももっと長くかかることを認識しておきましょう。
また、子どもの急性ストレス障害、PTSDなどの反応により、普段以上に育児ストレスが大きくなりやすいです。
基本的な対応

・母親の話を忍耐強く、批判せずにしっかり聴く。

・タッチをし、「独りではない」ことを伝えるあたたかい言葉や手を
 さしのべる。

・対処の方法を「提案」する話し方で伝える。

・我慢せず、そのままに感じていいのだと安心させる。

・遭った体験を誰かに訴えたり、助けを求めることは恥ずかしいこと
 ではないので、話せる人に震災のことを 話すことを勧める。

注意すること

・自分に同じ経験があってもそのことを話しすぎないようにする。

・自分の考えを押しつけず、いろいろな対処の方法を話す。

・子どもや家族の様々な感情を正しいとか間違いであるとか言わない。

・親を責めたり、怒ったり、説教をしたりしない。

言ってはならないこと

・「この経験を克服するように」とはけっして言わない。

・お気持ちはよくわかります。

・...でまだ運が良かったです。

・そのうち乗り越えられます。

・(配偶者や子ども)のために強くなりなさい。
 落ち着いてリラックスするように。

乳幼児の心のケア
子どもは、非常に強い恐怖の体験をした時に、災害そのものの衝撃と生活が変化により、次のような心の反応が起こります。このような反応は「正常な反応」です。数週間でなくなりますが、早くに対処してあげましょう。
CHECK

・恐かったことや、悲しかったことをゆっくり聞いてあげてください。

・ゆっくりさすってあげるなど、タッチングを多くしましょう。

・できるだけお子さんを一人にしないであげてください。

・子どもらしい遊びの時間をつくってあげてください。

・赤ちゃんがえりを否定せず、ありのままを受け止めてあげてください。

・遊びの中で表現したり、絵を描くこと、話すことなどの、安心して表現できる場を多くつくってあげましょう。

・遊び場など楽しみの場をつくり、他の親子と一緒にあそべるようにしましょう。

もし、夜泣き・夜驚・悪夢などを繰り返していて、睡眠が十分にとれていない時、極端に元気がなく皆と遊べない時などは、看護職や医師、心理の関係者など専門家に相談してください。
【参考】:http://pedata.med.kobe-u.ac.jp/chosho/earth_report/report_2.html 
災害時の非常袋の中身について
妊婦さんの場合
持てる重さは5Kgが目安です。

@ 自分を守るための物品
  帽子(あればヘルメット)、軍手、スリッパ、笛、ライト(ラジオ・充電器付きがよい)など
A 健康保持増進のための物品
  常用薬、絆創膏、ウェットティシュ、マスク、月経用ナプキン、衣類(下着を含む)、靴下など
B 情報収集のための物品
  ラジオ、小銭(特に10円玉)、携帯電話など
C 生活のための物品
  ウォータータンク(なければ新品の大きいナイロン袋)、新聞紙、飲料水、非常食(元気の出る物)、栄養補助食品、
  筆記用具、母子健康手帳、バンダナ、使い捨てカイロなど

乳幼児がいらっしゃる家族の場合
産後の方が持てる重さは5Kgが目安です。妊婦用に加えて、赤ちゃんための物品を追加します。

【赤ちゃんのための物品】
紙オムツ、お尻拭き、衣類、アルミブランケット、バスタオル・ブランケット(薄手でも良いので複数枚)・おくるみ、 スリングや抱っこ紐・おんぶ紐、市販の離乳食(お湯や温め不要のもの)、赤ちゃん用のおやつなど