先輩助産師からのメッセージ
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助産師を目指したい、または助産師の仕事ってどんなことだろうと興味を持ってくださっている方々がたくさんいらっしゃることと思います。
そのようなみなさまに、さまざまなところで活動している先輩助産師からのメッセージです。
地域での助産師の仕事
母子や女性の生活の場である地域に出て、さまざまな悩みや問題を抱える女性たちに出会いました。思春期の月経に関連した相談、彼と親密な関係に戸惑う、妊娠した、妊娠しない、赤ちゃんがよく泣く、母乳がでない、虐待してしまいそう、産後のブルーな気分、夫からの暴力、孫の誕生に援助はどのようにしたら…。
産む性を持つ女性の生活や人生の課題を、どのように乗り越えるか、寄り添い、その女性自身が持つ回答をいっしょに探します。
「あ、そうか」「これなら、できるかも」「できた!」新たな発見や気づきから、本来の笑顔が取りもどせたとき、安堵感とともに、助産師として私を成長させてくれていると感じます。街中では、寄り添った方々から声をかけていただくことも、私の元気の大きな源です。やりがいのあるこのお仕事をぜひともいっしょにしましょう!
開業助産師の仕事
≪深夜、枕元の携帯が鳴る。「布団に入ったけれど、いまは5~6分間隔で陣痛がきているみたいで…。」電話の向こうがわの少し緊張した声に、ベッドから起きだし着がえ、お産道具の詰まったバッグを車に乗せて産婦さん宅へと向かう。
到着すると産婦さんは汗ばみ、もうかなりつらそう。手際よく診察を済ませて腰をさすりながら優しく声をかけ、赤ちゃんが降りてくるのをじっくりと待つ…≫
お産は深夜に多い気がします。きっと本能的に落ちつき、安心して集中できるのでしょう。夜明けに新しい命の誕生を迎え、帰宅する際には、至福の光景・美しい朝焼けが眠気と疲労感を癒してくれます。お産は、お母さんと赤ちゃん、ふたつの命を同時にあずかる責任の重い仕事ですが、大きな感謝とともに自己をも成長させてくれるかけがえのない経験です。
プロである助産師には高度な専門知識と熟練技術だけでなく、寄り添う「温かい心」と「優しい手」が必要です。助産師を目指すみなさんは教科書を覚えるだけでなく、女性に寄り添い、触れ、たくさんお話しをして、どうぞ「温かい心」と「優しい手」を育ててください。私たち助産師は、妊娠・出産・授乳や育児のサポート・お産や命に関わる教育などを核に、仲間と日々研鑽しつづけています。そして、そこにあなたも加わってくれる日を待っています。がんばりましょう。
病院で働く助産師の仕事
助産師は古くは、「産婆」「取り上げ婆」とよばれ、出産に立ち会い赤ちゃんを取りあげることと一般的にいわれてきました。けれど助産師の仕事はそれだけではありません。
思春期から更年期まで生涯にわたって女性の心と身体をケアする仕事です。
とくに「人の誕生」、女性が妊娠し、出産し、親となっていく一連の過程に深く関わり、そこに助産師の専門性が発揮されます。女性は子どもがいくつになっても、出産の記憶を持ちつづけるといいます。大きなライフイベントとなる「重要な出産」、「新しい家族のスタート」に助産師は立ち会い、命の誕生を目のあたりにするのです。
子どもは社会の力であり、人類の希望です。その子どもを産み育てる女性とその家族に寄り添い、命がつながっていくことに助産師としての喜びとやりがいを感じることができるはずです。
助産師教育の仕事
助産師になるには、日本では看護師になるための教育を受け、次のステップとして助産師教育を受け、その先に国家試験があり、試験にパスしてようやく免許がとれます。免許を得たらそれで完了ではなく、助産師になってからも日々勉強の積みかさねです。
妊娠分娩産褥だけでなく女性の性、ライフサイクルにまつわるさまざまな事柄を十分理解することはもちろん、最新の情報に敏感になり、つねに自己の知識をアップデートしていくことが求められます。知識は助産師になるためだけではなく、助産師であり続けるためにとても重要です。
しかしそれさえあれば良いということではありません。助産師はこのうえないくらいに濃厚に人と接する仕事です。私の大好きな大先輩助産師さんは、「助産師は賢くなくてもいい。優しく、女性に寄り添える人であれ」とつねづね仰っていました。どれだけ優しくしても『やり過ぎる』ことはありません。ぜひ優しい助産師になるよう、いっしょに目指していきましょう。
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